【完】いつも通っている道に恋が生まれる
私が聞きたかった言葉
私は家でゴロゴロしていた。
仕事がある以外、何もすることがないのでゲームをした。
ゲームの種類は、戦闘バトル。
勝ってないとすごい怒りを感じるゲームだ。
現実が上手くいかないと非現実的に走ってしまう。
昔から悪い癖。
私はゲームをしながら、梅原さんのことを考えていた。
ゲームでは、私の方が断然強い。
なのに、なんで……こんな気持ち……
そんなことを思っていると、プルプルと電話の音がした。
私はゲームを一旦中断させて、テーブルに置いてあった携帯を取った。
見ると、夏奈子からだった。
「……はい、どうした?」
私は低めな声で電話に出た。
「どうした?じゃないわよ。真白、今ゲームしてたでしょ?」
夏奈子は、やはり私の言動はお見通しだ。
「……バレたぁ?」
「……はあー真白。仕事手空いたから心配して電話したのに……心配なかったわね…」
夏奈子は、電話を切ろうとする。
「……待って!夏奈子様、すいません。悩みあります」
私は右手に携帯を持ち、何故か見えない夏奈子にお辞儀をしていた。