【完】いつも通っている道に恋が生まれる
「何?悩みって、あの噂の彼?」
夏奈子は、楽しそうに言ってくる。
「……うん、梅原さんにこの前言われたんだ。私が初めて梅原さんに声をかけたことを感謝してるって。それで、俺は変われたって……」
夏奈子は、電話越しでうーんと唸り声を出していた。
「……うーん、よく分からないけど、真白が話せない部分もあると思うから話してないんだと思うけど……つまり、好意はあるわよね。前向きに考えると、恋も考えられるんじゃない?」
夏奈子は、私に言った。
「……あるかな?1%でも?」
「あとは、彼次第じゃない?真白は、やることやったんだから後は待っているしかないと思うよ」
さすがは夏奈子である。
たくさんの男性と関係を持っているからか経験の幅が違う。
「じゃあ、仕事あるから切るわよ」
「夏奈子様、有難う」
「相談料金、1万払ってよね?」
「1万‼︎」
「嘘ー!まあ、精々頑張って」
夏奈子は、電話の電源を切った。
私は心が晴れやかになった。