【完】いつも通っている道に恋が生まれる
次、梅原さんに会うときは気持ちに余裕を持って接したいと思えた。
*
俺は仕事が終わり、帰ろうとした時だった。
陽介が、カバンを背負いながら声をかけてきた。
「翔生ーこないだは、どうだったか?上手くいったか?」
「……陽介、上手く行ったよ、お前のおかげで」
「……上手く告白できたか?」
陽介は、ニヤニヤしながら言った。
「告白?何のことだよ!」
俺は、首を傾げて陽介に反発した。
「……なっ、翔生。まさかしなかったのか告白!」
俺は頷いた。
俺たちは会社を出て歩き始めた。
「……翔生。ひまわり……花守さん持ってただろう?その意味分かったか?」
「……分かった。俺の好きなひまわりだ。そのひまわりを見ると、勇気をもらえるというのは陽介に言った。ただ、花守さんに俺が言えてなかったことを言えということだと思ったが……あれは、告白と結びつかないぞ?」
陽介は、はあーとため息をつき、頭を抱えた。
「あのな、翔生。何故私がひまわりを花守さんに頼んだか分かるか?」
陽介は、俺を見て言った。
「……いや、分からない」
「…翔生が花守さんに告白出来るようにするためだよ」
陽介は、右手に腰をつけて言った。