【完】いつも通っている道に恋が生まれる

うん?今何時だろう
ベッドに置いてあった時計を手を伸ばして、見た。

19時45分。
梅原さんとの約束時間は20時。


いつもの通る道までは、約10分。
ギリギリ間に合う。

もう、前は余裕だったのに今度は遅刻⁈

私、何してるんだろう。
ため息をしながら、小さい鞄を手に持ち、部屋にあった鏡を見て化粧が崩れていないかをみた。

だが、私の顔はものすごく疲れていて化粧を直す時間もなかった。

なんで、こんな時に……
いつもは、夜中にゲームなんかしないのに……梅原さんに会うっていうのにこんな顔。
そんな考えている暇はなく、部屋を出た。

階段をダンダンと降り、母親にちょっと遅くなるからと一言言った。

母親はリビングにいて、珍しいわね、夜に出掛けるの、買い物?と言っていたが私は無視して靴を履いて外に出た。

靴を地面につけて、空にとどけくように私は梅原さんの所へ行った。

はあはあと息を切らしながら、いつも通る道に向かった。

すると、いつも通る道が見えてきた。

通行人は少しいて、仕事帰りの人、カップルが道を歩いていた。

その中で、ひとりだけいつも通る道で待っている人がいた。

私にはすぐ分かった。
それが誰なのか

スーツ姿に眼鏡をかけていて、背が高くて、カバンにはイルカのキーホルダーの人。
電灯が照らしていても暗くかったが、私には分かった。
そう、梅原さんだ。

「梅原さんー!すいません遅れて」
梅原さんは、さっきに来ていた。

「………いえ、大丈夫ですよ」
梅原さんは、ハラハラしている様子でいた。

「あの……話とはなんでしょうか?」
私は深呼吸をして梅原さんに言った。
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