【完】いつも通っている道に恋が生まれる

梅原翔生さんに仕事に遅刻してしまうのでと事情を説明をした。

「梅原さんは大丈夫ですか?」

「大丈夫です。出勤は10時からなので」

私は、時間を確認しつつ梅原さんを見て言った。

「………あの、友達からでいいんでメール交換しませんか?」

「いいですよ、名前は聞いてませんでしたね?名前は?」

「花守真白です」

「いい名前ですね」

「……あ、ありがとうございます。えーと、もう分かってますけど、改めてお名前は?」
梅原さんは、笑顔も見せずに真顔で言った。

「梅原翔生です。そこの近くのRocoデザイン会社に勤めています」

梅原さんは、名刺一枚とペンをカバンから取り出して、名刺の裏にプライベート用のメールアドレスを書いてくれた。
< 6 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop