【完】いつも通っている道に恋が生まれる
梅原翔生さんに仕事に遅刻してしまうのでと事情を説明をした。
「梅原さんは大丈夫ですか?」
「大丈夫です。出勤は10時からなので」
私は、時間を確認しつつ梅原さんを見て言った。
「………あの、友達からでいいんでメール交換しませんか?」
「いいですよ、名前は聞いてませんでしたね?名前は?」
「花守真白です」
「いい名前ですね」
「……あ、ありがとうございます。えーと、もう分かってますけど、改めてお名前は?」
梅原さんは、笑顔も見せずに真顔で言った。
「梅原翔生です。そこの近くのRocoデザイン会社に勤めています」
梅原さんは、名刺一枚とペンをカバンから取り出して、名刺の裏にプライベート用のメールアドレスを書いてくれた。