ほたるの初恋、消えた記憶
夏の大会に向けての特訓らしいけど、私は大会に出るつもりはない。

民宿を手伝うから、父さんは継がなくて良いと言うけど、私がやりたいと思ってるのだ。


その為に料理も習いたい。

母さんはほたるにこの仕事が向いてると言ってくれるし、ばあちゃんも賛成してくれた。


大好きなこの町離れるつもりはない。


ずっとこの町で暮らして行きたいんだ。


「ほたるは剣道好きなんだろ。」


好きだけど、剣道よりも好き事があるから。


「俺はほたるが無理してる気がする。家の事より、高校生らしい事をすればいいと思う。」


菊地は熱血教師で民宿を手伝うのは良い事だけど、部活したり、友達と遊びに行くとか、恋をするとか、そんな説教ばかりするのだ。


そんなの私の勝手なのに。


私は好きで民宿を手伝ってるんです。


「ほたるは夏の大会の参加決定な。」


菊地のバカ。


勝手に決めるな。


絶対に参加しない。


みんなの足を引っ張るだけだし。


この時期3年生は引退して、2年生が頑張るしかないのは分かってるけど、本当に苦手。


練習をどうやってサボろうか、そればかりを考えていた。



















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