ほたるの初恋、消えた記憶
家に帰ると弟たちが騒いでいた。


何事ですか。


大地に手を引かれて台所へ行くと、テーブルの上に水槽に入ったクラゲがいた。


嘘、何でクラゲがいるの?


もしかして祐吾なの。


民宿の外で空を眺めてた祐吾に近づくと、ほたる帰ってたんだねと振り返る。


「クラゲ高かったよね。」


そんなでもないよと言うけど、水槽だけでも高そうだし。


「祐吾は私を甘やかし過ぎだよ。」


だって、あんなに欲しそうに見てたら、買って上げたくもなるよと言われた。


水槽にへばりついてたのは確かだけど。


水槽で泳ぐクラゲがあまりにも綺麗で、自由で良いなぁって思った。


白く透き通る体がキラキラ光って、凄く幻想的で素敵だなって。


癒される。


素直に嬉しかったから、祐吾の手を取り頬にあててありがとうと伝えた。















< 101 / 187 >

この作品をシェア

pagetop