ほたるの初恋、消えた記憶
その日久しぶりに怖い夢にうなされた。


祐吾が消えてしまう。


いくら探しても何処にもいない。


健斗とも美幸も祐吾が何処へ行ったのか、知らないと言う。


暗い闇のなかをさまよい続ける。


祐吾は何処にも行かないと言ったのに、嘘つきだ。


夢の中で祐吾なんか大嫌いと叫んだ。


祐吾と過ごした時間を又忘れてしまうのだろうか。


夢であって欲しいと願った。


その日目が覚めたのは昼過ぎ、家には誰もいない。


今日は何日の何曜日?


痛い頭を擦りながら、階段を下りる。


今日は学校は休みだった。


良かった、遅刻だと心配したよ。


台所に祐吾がいた。


祐吾がおはようって言うけど、夢とごちゃ混ぜになってしまい、どうして祐吾がいるのだろうと思ってしまう。


あれはやはり夢だったのか。


夢で良かった。





















< 121 / 187 >

この作品をシェア

pagetop