ほたるの初恋、消えた記憶
演奏中の中央に立たされ、知っている歌をうたえと言うけど、急に声は出ませんから。


祐吾がペットボトルに入った水をくれた。


仕方なく懐かしい曲を3曲歌う。


祐吾が指を立てて良いねと笑った。


誉めすぎです。


でも、嬉しかった。


祐吾や健斗や美幸が羨ましくて、素直になれないで拗ねていた自分が恥ずかしい。


大きな声で歌うのは本当に気持ちいいな。


ライブに着るみんなの服をデザインして、奈々子たちと作る事を話すと、健斗に文句言われた。


「ほたるは自分の服がダサいの分かってる」


分かってますよ。


分かっていて、あえて挑戦してみるんです。


そんなに心配しなくても、デニムシャツをアレンジするだけだから。


その話をすると、健斗は良かったと言うけど、それってかなり失礼だと思いませんか。


健斗に絶対すごいと認めさせるんだから。










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