ほたるの初恋、消えた記憶
奈々子と駅で待ち合わせをして、デニムシャツにつける装飾品を探すことにした。


隣町に来るのは久しぶりで、新しいお店もあってドキドキする。


あ、奈々子が来た。


奈々子は身長も低くて可愛いから、私といるとカップルに見えると思う。


奈々子は私の身長が羨ましいと言うから驚きだ。


「ほたるはモデルさんみたいで、ずっと羨ましかった。」


嘘だ。


信じられない。


お互いそんな事を思っていただなんで、二人で笑った。


小物や手芸用品を見たり、私はビーズでキラキラにかざりたいな。


奈々子と二人で百均を見ようと手芸用品のお店を出た時、祐吾に似た人を見つけた。


あれは祐吾だよね。


祐吾の腕に綺麗な人が手を絡めて、二人で笑いながら歩いていた。


奈々子も祐吾に気づく。


「あれ、宮東君だよね。隣の女の子誰なのかな。」


知らない。


「ほたるの知ってる人。」


「知らないよ。別に知りたくもない。」


奈々子の腕を引いて、祐吾に見つからないように歩いた。


祐吾に彼女がいたとしてもおかしな話ではない。


祐吾はお金持ちのイケメンだから。


何でこんなに胸が苦しいのだろうか。


奈々子が何を言ってるのか何も分からなかった。


この気持ちに気づきたくないよ。


気づいてどうなるの。


祐吾は彼氏ではないのだから。


それに祐吾には婚約者がいるのだ。


こんな思いを早く消したい。



































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