ほたるの初恋、消えた記憶
祐吾作詞作曲の歌が始まった。


メンバーが左右に別れてると、祐吾が中央の椅子に座る。


祐吾の優しい声が体育館に響いた。


「この最後の歌は僕の好きな彼女に送ります。」


会場がざわざわすると、祐吾が歌いだした。



【 きみと出会えた事はキセキだと思う。例えこの先君が僕を忘れても、僕が君を覚えているから。

又、出会えたその日から始めよう。
いつも君は泣いてばかりで、君の笑顔が好きなのに、泣かせてばかりでごめん。

君の優しさは誰にも平等で、時々嫉妬しても君は気づこうとしない。
そんな拗ねた僕を見て、君は可愛いと笑う。

お願いだから泣かないで、僕の為にこれ以上泣かないでほしい。

君には笑顔が似合うから。

その笑顔にあの日僕は恋したんだ。

そして又君に会えて、僕は君に二度目の恋をした。

君を幸せに出来ると今は約束出来ないけど、この先も君とずっと一緒に歩いて行きたい。】


すごい拍手の中で私は舞台の袖に立ち尽くしていた。


これって、もしかして私の事ですか。


美幸に他に誰がいるのと言われた。


アホがと怒鳴られる。


ずっと我慢していた頭痛が又襲ってきたと思ったと同時に、意識をうしなった。


祐吾、何処にも行かないで。






















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