ほたるの初恋、消えた記憶
目を覚ますと美幸だけがいて、健斗は帰ったと言った。


私は何日眠っていたのだろか。


怖くて聞けないでいると、美幸が話してくれた。


学園祭の後、一週間眠っていたらしい。


眠ったからかなり頭はすっきりしてるけど、何か大切な事を忘れてる気がする。


病室に先生が入って来た。


具合はどうと聞かれてもはっきりしない。


「僕の名前分かるかな?」


はいと答えた。


両親の事も弟たちの事もはっきりと覚えてるし、美幸も健斗も分かる。


学園祭の事も覚えてるけど、最後の方がもやがかかっていてはっきりしない。


祐吾と言う人の事だけが思い出せないまま、脳波の検査や脳のCTと、MRIも撮ることになった。


もう一日様子を見て、明日退院出来るらしい。


良かった。


美幸が帰ろうとしないから、帰っていいよと言ってもるのに、もう少しいると言い帰ろうとしない。


美幸が泣きそうな顔で、祐吾と言う人からの手紙を見つめていた。


























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