ほたるの初恋、消えた記憶
最終章

甦る記憶

あの手紙をくれた祐吾から何の連絡もないまま、私は高校3年生になった。


美幸と健斗は進学の為受験勉強に必死で、遊んでくれないからつまらない。


私はひたすら民宿の手伝いを頑張ってるけど、なんかたいくつ。


楽しい事がないと頑張れないよ。


一人で買い物に行くのもめんどうだし。


祐吾の事はまだ思い出せていない。


母さんに時間を貰って、祐吾がいたあのお屋敷に行ってみようと思った。


あれから誠也さんとは何回か会ったけど、祐吾の話をする訳でもなく、ただ民宿に来てたわいもない雑談をしてるだけ。


でも、来るたび美味しいスイーツを持って来てくれるから嬉しい。


だからそのお礼に母さんが作った、クッキーを持ってお屋敷を訪ねてみようと思う。


誠也さんがいなくても誰かがいるだろうから。


お菓子を届けに行くだけだから、大丈夫だよね。


自転車に乗り高台のお屋敷まで必死にぺタルをこいだ。










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