ほたるの初恋、消えた記憶
このお屋敷に本当に遊びに来た事があったのだろうか。


白い洋館の建物の回りにお花畑が広がっていて、10年間誰が手入れしていたのだろ。


10年間誰も住んでいなかった感じがしないのは、どうしてなのか。


たくさんの木も綺麗なまま。


玄関前の大きな木を見上げた。


この木だけ切られてないのはどうしてなのかな。


「ほたる帰るぞ。」


「祐吾君おやすみ。」


私の声に振り返った宮東祐吾が泣いていたように見えたのは、気のせいだろうか。


その涙の訳を聞きたいのを必死にこらえた。


明日は土曜日で高校は休みだけど、部活がある。


私は民宿の手伝いで部活に参加出来ないけど、宮東祐吾は参加してほしいと思った。


朝会った時は本当にやな奴と思ったが、彼は何か闇を抱えるように思ったから、その闇を取り除いてあげたい。


今日は色々ありすぎで疲れて、車の中で寝てしまった。


































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