ほたるの初恋、消えた記憶
美幸も健斗も祐吾の父親が嫌いで、あのお屋敷には遊びに行けなかったらしい。


私は祐吾の父親にどんなに邪険にされても、平気で遊びに行ってたみたいだ。


美幸の記憶によると、その日は祐吾の父親が留守で、みんなで祐吾のお屋敷に遊びに行き、途中で父親が帰ってきて、祐吾を庇い誠也さんが殴られた。


誠也さんがその時始めて泣いたのだ。


少しだけ思い出した。


私が祐吾の父親に祐吾は悪くないと抗議したから、よけいに祐吾の父親は怒ったんだと思う。


健斗もかなり驚いたらしい。


祐吾の父親がかなり酷い事を言ったから。


幼かった私たちもかなり傷ついた。


誠也さんが泣きながら謝ってくれたけど、誠也さんは何も悪くない。


だからあの時、誠也さんの頭を思わずいいこいいこしてしまったのを思い出した。


誠也さんが驚いて固まっていたのを。


恥ずかしい過ぎる。


私はあの頃と何も変わっていないんだ。


怖いもの知らずで、後先考えずにすっ走る性格。


何も成長してないじゃん。










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