ほたるの初恋、消えた記憶

夏休みの決意

誠也さんと連絡がとれないまま3ヶ月が過ぎていた。


夏休みになる前に大きな決意をし、両親にしばらく民宿の仕事を休ませてほしいとお願いをすると、簡単に許してくれる。


今まで貯めたお金で、夏休み北海道へ行こうと計画を立てた。


始めての一人旅。


美幸だけに話すと行ってこいと言われた。


祐吾が一緒に行こうと言った、富良野へどうしても行ってみたかったのだ。


本当は祐吾と行きたかったけど、祐吾からは一年近くなんの連絡がないまま。


待っているのにも疲れたから、私らしく行動を起こす事にした。


たとえこのまま祐吾に会えなくても、こんな気持ちのままでは終われない。


私が私らしくいるためにも、北海道へ行こう。


富良野のラベンダーは夏しか見ることができない。


だからどうしても今行かなくては駄目なんだ。


後悔するのは行動を起こした後でいい。


北海道のパンプをたくさん集め、明日旅行会社へ行こうと思う。


大きめのキャリーバックも買いたいし、服も買わなきゃ。


楽しい事を考えてると辛い事は忘れられるから。


両親も祖父母も、弟たちも何も言わないし聞かない。


お土産を頼むと言っただけ。


不安はあるけど前に進まないゃ何も始まらない。


何もしないで、後悔だけはしたくなかった。

















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