ほたるの初恋、消えた記憶
「ほたるの食べぷりを見てると、こっちまで幸せになるんだよね。」


「それは言えるね、ほたるといると暖かな気持ちになるし、ほたるを守ってあけたくなるし。」


「美幸はまるでほたるの彼氏だな。」


「健斗はもうほたるの事諦めたの。」


「さぁね。祐吾しだいだな。」


「健斗には負ける気がしない。」


ほたるが口をもぐもぐさせ近づいて来た。


「さんにんにゃ、なにゃしてるのぉ。」


三人が吹き出した。


何で笑うの。


口の回りにいっぱいつけて、祐吾が指で口の回りをなぜた。


ワォー。


恋愛初心者の私にはかなりの衝撃です。


この先が大変だねと美幸が祐吾に言った。


この先って?


あ、思い出したよ。


「私、祐吾とキスした。」


え、え、え、何でそんなに驚くかな。


10年前、あの木の上で約束した時キスした。


「祐吾、あの時キスしたよね。」


祐吾の顔が真っ赤で答えてくれないから、
私からキスした。


私だってやるときはやるんだからね。


本当にほたるには敵わないよと、優しいキスをお返ししてくれた。


なんか、騒がしい声がしたけど。


あ、すっかり忘れてました。


美幸と健斗、家族みんながいる事を。


祐吾のバカ!


でも、幸せです。


















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