ほたるの初恋、消えた記憶
祐吾と二人でバーベキュウの後片付けをした。


祐吾は本気でうちに就職するつもりなのかな。


私は嬉しいけど、祐吾の父親が黙ってない気がする。


「どうしたの。浮かない顔をして、さっきの男の事なら、もう良いからね。」


「永田君の事、怒ってないなら嬉しい。」

怒ってるに決まってるだろ。


じゃ、どうして良いなんて言うの。


ほたるにそんな顔をさせたいんじゃない、ほたるに近付く男が許せないんだと言った。


だから、いつも側にいて私を守るらしいです。


うふふ、愛されてる感が嬉しい。


「本気でこの民宿に就職するから、広い方の建物をほたると綺麗にしてさ。なんか楽しくなって来たぞ。」


でも、お父さんが許すとは思えない。


絶対大学へ行けと言うと思うし、祐吾の頭ならどこの大学へでも行ける。


親父の事なら心配いらないから、はっきり親父に言ってあるからね。


ほたるは何も心配しなくて良いと言うけど、本当にいいのかな。


祐吾は父さんたちと話して来ると行ってしまった。


「ほたるが何を心配してるのか、分からないけど、祐吾に甘えてればいいのよ。それが祐吾の幸せなんだからね。」


美幸は祐吾の気持ちがいつも分かってるんだね。


祐吾はいつも私の為に何かをしようとしてくれるけど、自分にそれだけの価値があるのか分からない。


祐吾に甘えて浮かれ過ぎてしまわないか、不安なんだ。


本当にやになるよ。


祐吾の気持ちに素直になれない自分が情けなくてたまらない。











< 177 / 187 >

この作品をシェア

pagetop