ほたるの初恋、消えた記憶
卒業式が終わり父兄が式場から出て行く。

祐吾の腕を引いて、祐吾の父親に近づいた。

「今日来ていただいてありがとうございます。」

「息子の卒業式に来るのは当たり前だ。」


はい、おっしゃる通りでございます。


「ほたるさんからの手紙がなかったら、親父は来なかったと思いますよ。」


誠也さんそれは言わなくていいのに。


「手紙って、何。」


「おまえが大好きな、このじゃじゃ馬娘が手紙を送ってきた。来ないと後悔すると言われたからな。」


すみません。


祐吾がケラケラ笑いだした。


やっぱり、ほたるは最高だねと。


「本当にこんな女が好きなのか。」


祐吾が頷くと。


祐吾の父親が好きにしろと言った。


そして、あの民宿はかなり古い建物だから、空いてる敷地に新しいペンションを建てる手配をしておいた。


二人でしっかり働けと言われた。


誠也さんが親父からの卒業プレゼントだと思えば良いと言うけど。


そんな高価なプレゼント受け取れないよ。


二人で働いてローンを返せと言われて、ガクンなった。


それは祐吾の父親の冗談らしい。


責任重大だな。


頑張って働こう。


祐吾と二人なら大丈夫な気がするし、祐吾と二人で歩く未来がはっきり見えた。








完。











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