ほたるの初恋、消えた記憶
これって、もしかして三角関係でしょうかのホームルームで種目と参加者を決めるらしい。


運動音痴の私は応援にする事を決めていた。


なのに、なのに、どうしてバレーに参加しなくちゃいけないのよ。


バレーなんて絶対無理。


ボールは拾えないし、サーブなんて打てない。


「前田先生、バレーの参加拒否します。」


「決まった事は変えるつもりはない。練習すればいいことだ。」


身長が高いだけで決めるな!


女子なのに165cmはある、嫌又伸びたかも知れない。


高身長で痩せてガリガリだ。


いつも前後が分からないとからかわれているし。


菊地もおかしな奴だよ。


美幸とかクラス委員の菜々子とか、美人で胸もあるって頭も良い女子がわんさかいると言うのに、どうして前後が分からないガリガリ女なんですかね。


どうして私なのだろう。


まぁ、仕方ないか、たまにはクラス行事に参加しますか。


今日弁当が2つあるわけで、先ずは一つ目を頂こう。


教科書を立てて早弁した。


うまい、うますぎる。


七海さんに感謝だな。


「おいこら、早弁は駄目だと言ったよな。没収。」


何で、菊地がいるんだよ。


「一時間目は菊地の数学だよ。」


ワォー。


すっかり忘れてたわ。


「早く数学の教科書を出せ。」


ヤバい。


マジで忘れた。


菊地に睨まれた。


「まさか、忘れたなんて言わせないぞ。そんなにお仕置きされたいのか。」


滅相もごさいません。


お仕置きされたい訳ないだろうが。


「ほたるには俺の教科書みせますから、菊地先生は授業を始めてください。」


宮東祐吾は気がきくね。


「祐吾、サンキュー。」


あ、祐吾っていっちゃったよ。


宮東祐吾がありがとうと言った。


お礼を言われるほどの事はしてないのに。


あれ、視線を感じる。


健斗が祐吾を睨んでいた。









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