ほたるの初恋、消えた記憶
数学準備室で菊地が用意したプリントを、みんなでやることになってしまった。


早く帰りたいなんて言えそうもない。


祐吾と美幸が前に出で、黒板に問題の解き方を書き説明してる。


二人とも教師になるといいと思う。


「ほたるはこんな問題も出来ないの。」


今さらそんな事言われてもね。


「悔しかったら、説いてみなさいよ。」


頑張る。


頑張るのも悪くないね。


毎日数学のプリントを頑張って解いたら、数学で赤点とらずに済んだ。


菊地に頑張ったと誉められた。


部活もサボらないで出てるし、土日は祐吾と民宿の手伝いもしている。


今まで好きでなかった緑が丘学園都が好きになった。

本当は中学を卒業したら、民宿の手伝いして、高校へは行かないつもりでいたから。


元々勉強も苦手で、みんなと一緒に何かをやるの事が特に駄目。


色んな事から逃げていた。


母さんは高校を中退してるから、私に絶対いかせたかったみたい。


高校へは行かないと言った時、母さんに泣かれて本当に困った。


母さんの分も高校生活を楽しむと約束したのだ。

だけど、いい加減に一年を過ごしてしまい、高校二年になって宮東祐吾が転校して来ると、私の生活ががらりと変わった。


宮東祐吾に感謝しなきゃだね。


10年前の宮東祐吾の記憶はないけど、ここから又始めればいい。

















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