ほたるの初恋、消えた記憶
みんなで楽しくラーメンを食べ終えて外に出ると、ラーメン屋虎之介の前にベンツが いた。


「ほたる早く乗って、おばさんが待ってるからね。」


そうでした。


母さんに早く帰るように言われたんだ。


健斗と美幸に又明日と挨拶をして、ベンツに乗り込んだ。


ベンツにも慣れタクシーがわりに使ってるみたいで、青木さんに申し訳ない。


「いつもすみません。」


「気にしないでください。これが俺の仕事ですから。」


青木さんは20代後半ぐらいかな、中々のイケメンで少し足が悪いみたいだ。


「はたる、見すぎ。」


「足が気になりますか。若い頃悪さばかりして、バイクで事故った後遺症です。」


青木さんと家政婦の七海さんは姉弟だと教えてくれたが、それ以上聞いてはいけないように感じた。


窓から外を眺めている祐吾の顔が淋しそうなのは、どうしてなのかな。


でも、声をかけれなかった。


みんなそれぞれ何かを抱えて、生きてる。


祐吾に聞きたい事もたくさんあるけど、まだ時間はあるし、いつか勇気を出し10年前の祐吾の話を聞いてみたいと思う。


私と宮東祐吾はどんな関係だったのか。


7才の私に会いたかった。


7才前の事を全く覚えていたい。


思い出がないのは辛いな。






















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