ほたるの初恋、消えた記憶
夕食は流しそうめん。


全て菊地のこだわりで、竹をとりに行く所から始まり、その竹を割って、そうめんが流れるように組み立てるのだ。


もう、この時点で腹ペコで死にそうだった。


腹へったぁ~。


何でみんなはそんなに元気なの。


「お腹空いてない。」


「昼に焼そば食べたろ。」


食べたけど、たらないよとは言えなかった。


はぁー。


こんな思いまでして、流しそうめんしたいかな。


菊地は楽しみだなと言うけど、準備に二時間だよ。


あり得ない。


普通に食べたいよ。


祐吾もなにげに楽しんでるし。


1年の男子二人は何でも一生懸命でうらまやしい。


「もうやめた。」


祐吾が話を聞くからと、みんなから離れた場所に連れて行く。


「どうしたの?」


別にたいした事じゃない。


ただお腹がすいてイライラする。


「みんなはお腹空いてないの。」


祐吾がケラケラ笑いだした。


だって、だって、朝はおにぎり一個で昼は焼きぞはだよ。


普通にたらないでしょ。


祐吾がちょっと待っててと何処かに行く。


祐吾がお皿にとうもろこしを乗せて来た。


「おじいちゃんにもらってきたから、食べていいよ。」


やったぁー。


とうもろこし3本をたいらげた。


少しは腹のたしになったわ。


視線を感じた。


大食いの女はあり得ないか。


「ほたるは本当にうまそうに食べるよな。」


それって、誉めてるのかな。


「俺は好きだな。」


あ、ありがとう。


告白された訳でもないのに、ドキドキが半端なかった。












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