ほたるの初恋、消えた記憶
見た目派手な大学生たちが流しそうめんを楽しんでる姿を新鮮に感じた。


見た目だけで判断してはいけないなと思ってたのに、一人の大学生が馴れ馴れしく話しかけてくる。


うざいんですけど。


無理し続けてるのに、何なのこの男。


「すみません、離れてもらえます。」


「この民宿の看板娘のほたるちゃん。」


キモいし、看板娘は古い。


「僕たち東京の大学生なんだけど、田舎もいいなと思ってさ。」


うるさいけど、一応お客様だから我慢した。


「はい、とても良い町です。」


「じゃあさ、町の案内頼めるかな。」


小さな町の案内なんていらないだろ。


これってナンパなのか。


どうやって断ろうか考えてると、祐吾が大学生に話しかけていた。


「町の案内なら俺がしますよ。」


男は返事をしない。


美幸に腕を引かれた。


はっきり断らないと駄目だよ。


派手な大学生は案内はまぁいいやと言って立ち去った。


祐吾と美幸に散々叱られた。


だって、お客様だからはっきり断れなかったんだ。


流しそうめんは上手く食べれなくて疲れるし、大学生にナンパされるし。


ほたるは自分が綺麗だと言う自覚がないからいけないと言われた。


私の何処が綺麗だと言うの。


分からない。


綺麗の基準が分かりません。




























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