ほたるの初恋、消えた記憶
私が覚えているのは激しい雨と雷、叫び声、サイレンの音、7才だった自分は確かにそこにいた。


ものすごい音がして自転車から落ち地面に叩きつけられ、痛くて、痛くて、その後事は分からない。


どのくらい眠っていたのか、目を覚めした時には目の前にたくさんの人がいた。


みんなが泣いていてほたると呼ぶけど、誰の事だか分からなくて、疲れて又眠る。


眠くて眠くて、いくら寝ても眠くて、たくさんの夢を見ていた。


雲の上をずっと誰かと手をつないで歩く。


毎日飽きもせずに歩き疲れてるまで歩いて、急に行き止まりになり、目を覚ますと健人と美幸がいたのを覚えている。


最初に思い出してのは家族ではなくて、幼馴染みの健人と美幸だった。


健人と美幸は何も言わないで、ただ一緒にいてくれたんだよね。


その後に家族を思いだした。


父さんも母さんも泣いてたね。


大地と雄大の事も分からなくて、二人にグーパンチをくらったっけ。


祐吾の存在が何処からだったのか、分からない。


祐吾が東京へ帰ったと聞かされて、乗れもしない自転車で後をおったのかな。


あの日祐吾と何を約束して訪ねたのか。


自分のとった行動が全く分からない。


みんなを巻き込んでしまったんだね。


ごめんなさい。















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