ほたるの初恋、消えた記憶
多分二度目の東京だと思う。


人、人、人だらけで怖い。


母さんもよろよろしてるし。


ほらって、祐吾が手を出す。


「お母さんと手つないで、ほたるは俺の腕に手を絡ませて。」


かなり祐吾と密着。


違う意味でドキドキした。


青木さんが車で待っているらしい。


黒のベンツが見えた。


青木さんが下りてドアを開けてくれたので、先に母と乗ると、顔が赤いですが大丈夫ですかと言われてしまう。


恥ずかしい。


祐吾はクスクス笑ってるし。


だって、男子とあんなに近づく事なんてないから。


父さんとも手はつながなくなった。


なんかお互い照れくさくて。


父さんの事を考えてると、病院へ着いたと言われた。


ハァー、大丈夫だと自分に言い聞かせ、ベンツを下りた。



















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