ほたるの初恋、消えた記憶
担当の医師が少し祐吾に似ていて安心した。


10年前の事故の話は知ってると言われ、その後の事を話してると診察室に祐吾が入ってくる。


「俺も一緒にいていいかな。」


先生を見ると大丈夫と聞かれたので、はいと答えた。


祐吾には知っていてほしいと思うから、自分でも分からないうちに色んな事を忘れてるみたいだから。


自分でもあれって思う事がたくさんあって、でも大丈夫だろうと自分に言い聞かせていた。


多くの質問に答えたり、認知症の検査もしたがそれは大丈夫だと言われ、ほっとした。


若年性の認知症なのではないのかと色々調べていると、怖くて辛くてどうして良いのか分からなくて、誰にも相談出来ずにいたから。


祐吾はまるで保護者だねと、先生が笑う。


祐吾が私の手をずっと握っていたから、少し恥ずかしかった。


祐吾が側にいることがかなり心強かったんだからね。









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