ほたるの初恋、消えた記憶
モテると言われても実感がわかない。


恋も知らない私がこの先誰かを好きになることがあるのだろうか。


スカイツリーはものすごい人が並んでいて、もう来ることはないと思うからどうしても展望台まで上りたかった。


東京が一望出来たけど、建物だらけで緑がない。


スカイツリーの中も人だらけで身動きが取れなかった。


可愛いキャンディー屋さんを見つけてので、覗いていると祐吾に入ろうと腕を引かれる。


「美幸に買おうかなと思って。」


どれがいいか選んでると、祐吾が私が手に持ってるのを二つ取り上げた。


「一つはほたるのね。」


「自分で買うのに。」


俺が買ってあげたいの。


なんて、言うから恋人みたいだねと言いそうになり、慌てて止めた。


恋人なんかじゃない。


祐吾は友達だ。


勘違いをしちゃ駄目。


祐吾は東京の街が似合っていた。


早く田舎に帰りたい。


祐吾には婚約者がいるのだから、これ以上祐吾に甘えては駄目だ。


急に胸が苦しくなる。


祐吾の隣にいていいのは私じゃない。


















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