ほたるの初恋、消えた記憶
そこには幼稚園の運動会が映っていて、私が泥だらけで泣いてる姿があるけど、何があったのだろうか。


隣で祐吾が笑いだした。


「この泣き顔は俺の中で一番のお気に入りなんだよ。」


猿みたいな顔で大泣きしてるのだ。


競技に負けたのかな?


これはねと祐吾が話してくれた。


お昼のお弁当のエビフライを健人に食べられて大泣きしたらしい。


エビフライごときにこんなに泣くかな。


「ほたるは泣き虫だからね。」


喧嘩をしてる友達の止めに入って、最初にほたるが泣くんだからたまらないよ。


気が強いようで、本当は凄く優しいんだね。


照れくさいや。


正義感だけは人一倍あるけど、喧嘩を止めに入ると、相手が強くて何回もやられて大泣きしていただなんて、恥ずかし過ぎる。

そんなほたるが可愛いいんだ。


もう、穴があったら入りたいです。


祐吾は私を甘やかし過ぎだよ。



















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