*武士の花*~花は桜木、人は武士~
*桜*
会津藩御預 壬生浪士組 を名乗ることが許されて、ひとつき
満開の桜の下で、総司とひと休み
俺達2人は、隊士募集の為に道場へ
挨拶回りをしている
「あぁ~あ
近藤さんと一緒が良かったです!」
「悪かったな」
「なんで、土方さんと僕なんですかね」
「くじ引きだ」
「はぁー本当、くじ運ないですよね」
「まったくだ」
7つ年下の総司に言われるほど、昔から
くじ運が悪い俺
壬生浪士組 副長 土方歳三
そして、先ほどから悪態をつく男
副長助勤 沖田総司
総司がついて行きたかった、近藤さんは
壬生浪士組 局長 近藤 勇
本日は、俺と同じ副長 山南敬助と同行している
休憩を済ませ、次の道場へ
ここは、ハッキリ言って小さな道場だ
それでも、道場主の人柄が良く
弟子たちの人柄も想像出来る
だいたい、京で壬生浪士組の名を出すだけで、避けられる
街を歩けば、ヒソヒソと嫌ごとが聞こえ
みぼろだの、壬生狼だの
大層なあだ名をつけられている
要するに、嫌われ者だ
噂を耳にしているはずだが、快く話を聞いてくれた
道場への見学も許された
3人で、道場に近づくと
「ダラダラしてんじゃねぇ!!
集中しろ!!
この道場から、死人が出たなんて聞きたくねぇぞ!!」
野太い男の声が響く、きっと話に聞いた
息子の慶太郎だろう
バシンッ!!
竹刀が、壁に叩きつけられる音がした
道場の中が静まる
ん?
顔を上げると、目の前に竹刀が突きつけてあった
・・・・・
嘘だろう?
「先生、そろそろ上がらせて頂きます!」
その男は
竹刀を降ろして、道場主にお辞儀をした
その場を去ろうとした、男の前に総司が立ちはだかる
「お名前、教えて頂けません?」
強い男を見つけたと、嬉しそうにニコニコする総司と反対に、変な男を見つけたと
目を細め見る男
2人の睨み合いが続く
「谷口君!次の予定に、遅れるよ!」
睨みあいを止めたのは、道場主だった
「あぁ、そうでした」
「そうそう、谷口君
私の客人に竹刀を向けるのは、どういうことかな?」
「気配を消して近づくような方が、客人とは思わなかったので、失礼しました」
谷口君と呼ばれた男は、嫌味を言いつつ
俺に頭を下げた
「いやいや!熱心に稽古をされていたので、邪魔しないようにしたつもりが
誤解を招き、申し訳ない!」
俺も頭を下げた
「僕、壬生浪士組 沖田総司です」
「狼だか、何だか知らねぇが
邪魔だ!退け!」
総司には、あからさまに冷たく言った
「谷口君は、本当に口が悪いねぇ
私の客人だと、言っただろう?」
「そうでしたね
では、客人方さようなら」
スルリと総司を交わして、ペコリ
きちんとお辞儀をして、去って行った
「興味を持たれたようですが
谷口君は、息子の友人で、今日は遊びに来ていたんです!刀とは、無縁の生活をしているので」
「なにをしているのですか?」
「京で谷口君の噂を聞きませんでしたか?
有名なんですがねぇ」
俺達は、道場の門下生に挨拶をして
道場を後にした
満開の桜の下で、総司とひと休み
俺達2人は、隊士募集の為に道場へ
挨拶回りをしている
「あぁ~あ
近藤さんと一緒が良かったです!」
「悪かったな」
「なんで、土方さんと僕なんですかね」
「くじ引きだ」
「はぁー本当、くじ運ないですよね」
「まったくだ」
7つ年下の総司に言われるほど、昔から
くじ運が悪い俺
壬生浪士組 副長 土方歳三
そして、先ほどから悪態をつく男
副長助勤 沖田総司
総司がついて行きたかった、近藤さんは
壬生浪士組 局長 近藤 勇
本日は、俺と同じ副長 山南敬助と同行している
休憩を済ませ、次の道場へ
ここは、ハッキリ言って小さな道場だ
それでも、道場主の人柄が良く
弟子たちの人柄も想像出来る
だいたい、京で壬生浪士組の名を出すだけで、避けられる
街を歩けば、ヒソヒソと嫌ごとが聞こえ
みぼろだの、壬生狼だの
大層なあだ名をつけられている
要するに、嫌われ者だ
噂を耳にしているはずだが、快く話を聞いてくれた
道場への見学も許された
3人で、道場に近づくと
「ダラダラしてんじゃねぇ!!
集中しろ!!
この道場から、死人が出たなんて聞きたくねぇぞ!!」
野太い男の声が響く、きっと話に聞いた
息子の慶太郎だろう
バシンッ!!
竹刀が、壁に叩きつけられる音がした
道場の中が静まる
ん?
顔を上げると、目の前に竹刀が突きつけてあった
・・・・・
嘘だろう?
「先生、そろそろ上がらせて頂きます!」
その男は
竹刀を降ろして、道場主にお辞儀をした
その場を去ろうとした、男の前に総司が立ちはだかる
「お名前、教えて頂けません?」
強い男を見つけたと、嬉しそうにニコニコする総司と反対に、変な男を見つけたと
目を細め見る男
2人の睨み合いが続く
「谷口君!次の予定に、遅れるよ!」
睨みあいを止めたのは、道場主だった
「あぁ、そうでした」
「そうそう、谷口君
私の客人に竹刀を向けるのは、どういうことかな?」
「気配を消して近づくような方が、客人とは思わなかったので、失礼しました」
谷口君と呼ばれた男は、嫌味を言いつつ
俺に頭を下げた
「いやいや!熱心に稽古をされていたので、邪魔しないようにしたつもりが
誤解を招き、申し訳ない!」
俺も頭を下げた
「僕、壬生浪士組 沖田総司です」
「狼だか、何だか知らねぇが
邪魔だ!退け!」
総司には、あからさまに冷たく言った
「谷口君は、本当に口が悪いねぇ
私の客人だと、言っただろう?」
「そうでしたね
では、客人方さようなら」
スルリと総司を交わして、ペコリ
きちんとお辞儀をして、去って行った
「興味を持たれたようですが
谷口君は、息子の友人で、今日は遊びに来ていたんです!刀とは、無縁の生活をしているので」
「なにをしているのですか?」
「京で谷口君の噂を聞きませんでしたか?
有名なんですがねぇ」
俺達は、道場の門下生に挨拶をして
道場を後にした