*武士の花*~花は桜木、人は武士~
すっかり夏を迎えて、暑さに耐えている


治りかけの傷に、汗がしみる


弘吉は、まだ置屋にいる


やっぱり、気のせいだよな?



「うっ…」 



突然、吐き気に襲われた

下腹に感じる痛み



その日は、布団でずっと具合が悪かった





翌日、体調は戻らなかったが

山崎さんに会うため、新選組に向かった




「傷が痛むんか?」

「違う……俺…妊娠したかも」


「……嘘やん」

「月のもの来てないし、下腹が痛むんだ」



山崎さんに体を見て貰った



「懐妊や…」

「どうしよう?」

「古高の子やろ?」

「うん…他にしてない
女って、バレるよね……」

「そっちかい!……ん?産むんか?」

「あんな男だけど、子供に罪はないだろ」

「お前は、ホンマに……
あぁもう!!協力したるわ!!」


「へへっ ありがとう!!」







生きる希望を見つけた気がした




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