*武士の花*~花は桜木、人は武士~
~渉~



「ホンマに…意識せぇて!!」

「るせぇ…医者を意識する患者なんているかよ!!」


土方さんに斬られた傷を見て貰う為

上半身裸

胸は、隠してるけど

どうせ、体は治療で見てるんだろ?




肩の方は、いいけど

背中が治らない

椿が山崎さんに見て貰えって言うから

お願いした


背中だから、サラシを取らないと診せられない

いざ、サラシとると、グダグダ言う

うるせぇ


「早くしろよ!誰か来たら困るんだけど」













「なんでやろ?悪いなぁ…」


サラシを巻き、着物を着直した


「椿は、帯のせいかなって」

「あぁ…女物は、丁度あたるなぁ
休まれへんのか?」

「休める」

「ほな、10日ほど男でおってみ
毎日、付け替えしてもろて、また診せて」

「わかった」







山崎さんの薬
はっきり言って、すげぇ痛ぇ









「どないしたん?」

「いや、なんも……ない」



滲みる……



「ほな、戻るか」


「うん」



はぁ~



痛えよぉ












「弘吉、帰ろうぜ」

「もう、帰るのか?」


一刻も早く、横になりたいんだよ!!



「居るならどうぞ!俺は、帰る!」


鍋を持ち、歩く


痛ぇ



「ぷくくっ 貸し!持ったるわ!」


山崎さん……意地悪だ



鍋を持って貰ったけど、なんか…嫌



ドカッ




「いったぁ!!なにすんねん!!」


「仕返し」



あっかんべぇして先を行く


結構強めに蹴っておいた


片手に鍋、片手でお尻を擦りついてくる


弘吉は、まだ帰らないのか?




羽織姿の弘吉を思い出す


楽しそうに、幹部と談笑してる


普段、女ばっかりだもんな





本当は、弘吉も新選組に入りたいのかな








だとしたら……






我慢させてるのは、俺…









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