*武士の花*~花は桜木、人は武士~
その答えは、単純だった


渉「俺が桜天神だって、バレた
1度会ってても、気づかれたことないんだけどな…芹沢さんは、いい目してるよ

んで?土方さんは、どちらに?」 


土「俺は、久しぶりに遊びに行こうかとな!
その、桜天神に会いたくてよ!!」

渉「会ってるじゃないですか?」

土「化けてねぇだろ?俺は、色気がある方が話しやすいんだよ!!」

渉「へいへい
色男は、これだからな」








島原まで、一緒に歩く







渉「因みに俺は、今日すでにお客が決まってるから!」

イタズラ小僧みたいな笑顔で言われた


土「あぁ?ここまで来てそれ言うか?」

渉「見送りご苦労さん!じゃあな!」


当てが外れた……


帰るか……














「すみません!」

「ん?あぁ貴方は、道場の…」



俺に声を掛けて来たのは、渉と出会った道場の息子、慶太郎だった




慶「渉を浪士組に誘っているって、本当ですか?」

土「あぁ 渉の身軽さや頭の良さ
それに剣術も、浪士組に欲しい腕前だ」

慶「渉は、剣術やってないですけど?」

土「刀を振るのを見たぞ?」

慶「はぁ~見て、覚えたのかも……
なんか、器用なんだよなぁ……
道場の手伝いさせてるだけで、刀振れるとか……まったく
土方さん、渉には今の生活があります!
しつこく誘わないで下さい!
渉は、やっと立ち直ったんだ!
浪士組の手伝いだって、充分しただろ?
もう、関わらないでくれよ!!」

土「訳ありなのは、何となくわかってる
俺は、渉からちゃんと断られるまでは、誘う!慶太郎が心配する気持ちは、わかってる
命がけだからな…
だが、渉に選んで貰いてぇ
渉の生き方は、渉にしか選べねぇだろ?」



お互い、渉を思う気持ちは、変わらない

しかし、慶太郎は、渉の事情を知っている

その分慶太郎は、辛いのだろう



慶「渡しません!!
浪士組に、渉は渡しません!!」




キッ と俺を睨み、去って行く姿を見て









慶太郎も欲しいなぁ






次に会ったら、誘ってみるか……







口元が緩んだ
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