*武士の花*~花は桜木、人は武士~
茶色の衣装を着せられた

克己に連れられ、街を歩く


街、つっても屋根上だけど…


「なかなかだな?」


そうかよ!フン!


屋根歩いたくらいで、褒められバカにされた気分だ


ちゅ


忘れてた


目を反らすと布越しとはいえ、口づけされる


なんなの?






巡察している永倉さん、斎藤さん


散歩してる弘吉と、土方さん



皆、普通に生活してる




そっか……




俺は、もう…いないことになったんだな





「渉?どうだ?久しぶりの外は!!」


コイツは、気分転換に連れて来てくれたんだな?




……最悪だよ









出る時もそうだが、戻る時も


同じ場所で目隠しをされ、抱えられる








俺は、逃げて戻る場所を無くした




そんな気分だった









すっかり傷が治ったのに

コイツは、湯に一緒に入りたがる


だから


コテン


「俺は… お前の女じゃねぇ」



克己をひっくり返してやった


「ぷははははははっ」


気でもふれたか?


「最高だよ!!骨を折ろうとしたり
こんなに軽く俺を転がすんだ!
渉みたいな女は、俺の女にならねぇと
嫁には、いけねぇよ!!」


おいおい!!


ガサガサと着物を脱がされ、湯につけられる


子供を風呂にいれてるんじゃねぇぞ



かなりムッとしつつも、男の力には敵わないと知った






その夜







克己に抱かれた



 







まるで宝物を扱うように、大切にされた














頭の中で、土方さん助けて…と何度も

何度も叫んだよ









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