*武士の花*~花は桜木、人は武士~
俺は、総司と山崎とで、一芝居打つことにした

今夜3人で同じ未来を想像する
街の路地で、俺が危険な目に合うことを


渉に伝わるように、祈りながら


そして…


翌日の夜、フラリと俺は、その路地を目指した






渉が現れる可能性なんて、無いに等しい

それでも、信じた





路地に入ると


俺の首には、クナイ

「よお……渉」


シュッ  チャキッ



山崎が渉にクナイを向け、総司が刀で逃げ道を塞ぐ


「渉、話をしよう
クナイを降ろしてくれ」

「クナイを降ろせば、お前達は殺される」


気配は、感じないが…囲まれているのか?


「渉…脅されて、抜けられないのか?
今日、総司の薬を松本医師に見て貰った
お前がすり替えたんだろう?
助けてくれようとしてるんだろ?」



俺達には、買えない高価ないい薬にかわっていた



「俺は、俺の意思でいる
それに、助けた覚えはない
いつでもお前達を殺せる
俺達をかぎまわるのは、辞めろという
警告だ」


「渉、戻ってこい!
俺達が一緒に闘ってやる!」


「渉…ケホ お願いしますよ…ケホ」


「渉!!皆、心配してんねんで!?」



「(ギロッ)お前らなんか、嫌いだ」




渉がクナイを降ろすと、ザ ザ ザ

本当に囲まれていた


「そちらも武器を降ろせ
もめ事や騒ぎは、困るだろう?」


余裕な表情浮かべ言う





俺も平静装う


「渉、お前は今、大切にされているんだろうが
          幸せか? 」









「あぁ」

「だったら、なんで笑ってねぇんだよ!」






「答えろ!!お前は、幸せなのか?」







「幸せだよ」











そんな顔して、俺達が納得すると思ってんのかよ!!





「渉…戻ってこい!お前の意思で!」 













「ねぇよ……お前らなんか嫌いだ…」













渉と仲間たちは、一瞬にして消えた









嫌いと言うわりに、殺さずに見逃す











渉…俺には、お前が助けてって、言ってるように聞こえるぞ?





渉…俺は、お前に嫌われたって


好きでたまらねぇんだ


渉に、笑っていてほしんだ



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