*武士の花*~花は桜木、人は武士~
ゴソゴソと、後ろを向いて山崎が用意した着物を羽織る


その背中には、俺が斬った刀傷




土「説明してもらおう」


松「待て!!七重は、悪くないぞ!!
元々、ガサツで男勝りだ!
渉の方がよほど可愛らしく、淑やか
七重は、全く女らしからん!
それでも、七重は、女だ!!」


渉「悪口じゃねぇか!!良ちゃん!!」


松「ほら!!この通り!」


渉「良ちゃ~ん」






舞踊をしたい渉

武術をしたい七重


入れ替わってからの話を聞いた


弘「ちょっと…よくわからない」

渉「ははっ…なんか、ごめん
今まで通り、渉でいいから!!」



弘吉は、状況がのみ込めないようだ




渉「まぁ…元々これだから
渉のために桜やってたけど、俺は女らしくできねぇ
無理に男として、やってる訳じゃないから
お気遣いなく!! 辰、帰るか!」


辰「おう!」






土「本当にいいのか?」











渉「俺が渉だ!七重は、死んだ!」








にっこり笑って、出て行った







俺が、そうさせたんじゃねぇか?



俺が、七重を渉にしたんじゃねぇのか?



真実を知って、また……心が迷っている



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