*武士の花*~花は桜木、人は武士~
~土方歳三~



辰己からの知らせで、渉を助ける為

長州屋敷へ


襖を開けると、20数名もの男が倒れていた


その中に女姿の渉を見つけた



沖「渉!!しっかり!!
すみません……僕が捕まったりしたから
渉!! 土方さん!!凄い熱です!!」


総司に抱き起こされた渉は、ぐったりと
動かない

額に手をやると、火の玉かってくらい熱かった


浅く、絶え絶えな呼吸


近藤さんらに、この場を任せ

総司と監察の家へ渉を運んだ


医者を呼び、診て貰った






「熱が下がらなければ……

       今夜が峠でしょう……」








これから、山崎と幸せになるんじゃねぇのかよ?


馬鹿野郎!!




渉「せ……さわさん…」

「駄目だ!!行くな!!」


芹沢さん、頼む連れてかないでくれ!!


総司は、必死に手拭いをかえ


「あなたは、強いじゃないですか!?
負けないで!!戦って下さい!!」



俺達は、一晩中


渉に声を掛け、看病をした











朝方



任務を終え、知らせを聞いた山崎が戻った


「副長……七重は?」













「熱が下がった」



「ホンマですか!?」

「僕達、頑張ったから後は山崎君よろしくね!!」


山崎がペタリと頭を床につけた



「ありがとう御座います!!」


「なぁ~にやってんだ!
当たり前だろ!!」



ゴソゴソ




え?


音の方を振り向くと




目を覚ました渉が四つん這いで縁側へ


「おいおい、寝てろって……」


せっせと縁側まで這い


空を見上げる




「渉?具合どう?」



総司が声を掛けると、見上げたまま首を

コテンと傾げた









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