*武士の花*~花は桜木、人は武士~
目が覚めた渉に

『山崎と夫婦になってもいいぞ?』



「ふっ 無理だよ」



思わぬ言葉が帰ってきた



「夫婦になったら、ここを出てひとりで暮らすんだろ?
俺……火が使えない
ここで皆に助けられて、やっと色々できてる
ひとりでは、無理
だから、烝さんも諦めてるよ」



余計なことを言ったな

ちゃんと、考えていたんだな



「ねぇ? 烝さんって、どれくらいいないの?」




山崎は、ずっといる


「しばらく帰れないって、どれくらい?」


今朝だって、渉が洗濯する姿を見ていた


「危ないところなの?」




山崎も、つかず離れずを保っているのか?



『もう帰ってくる』

「そう!!よかった!!
沖田にも、教えてあげよう!!」



そそくさと部屋に戻っていった




総司は、春風邪で寝込んでいた


渉が言うには



「沖田は、子供だから、お腹を出して寝たんだろう!!」


総司の方が年上なんだけど…




その日の夜は、山崎と総司の間で


嬉しいといいつつ


夕餉を食べる渉の姿があった













このままでいいんだな























< 186 / 291 >

この作品をシェア

pagetop