*武士の花*~花は桜木、人は武士~
~弘吉~
副長の意見は、最もで
俺も渉の様子が、おかしいことに気づいていて
そのままにしていた
明日、ゆっくり訊いてやらないとな
翌日、沖田さんの部屋に行くと
沖田さんが、俺より先に問いただしていた
一生懸命に渉の手に、心配している気持ちを書く沖田さん
その部屋の隅には、山崎さん…
山崎さんは、普段は雑だったり、ひょうひょうとしている割に、臆病だ
「沖田さん…渉が、どうして笑わないのか
聞かなくても俺にはわかります」
そう、幼なじみだから
ずっと一緒にいたから
「なんだ?揃ってんな?」
俺の後ろから、副長が……
俺は、沖田さんと反対側、渉の右に座った
弘「器用貧乏ってのは、お前のことだな…
もう、見えないふりも
聞こえないふりも、やめた方がいいぞ?」
渉は、表情を崩さない
沖田さんと山崎さんは、驚き狼狽える
土「なんだ……
おめぇも気づいていたのか……」
副長こそ、気づいていたのかよ
弘「渉… 「出てく」」
言いかけた、俺の言葉を遮って
冷たく言った
スッと立ち上がり、部屋の入り口に向かう
渉の前に、副長が立ちはだかる
「入隊しろ
ここにいたいから、治ってないふりしてたんだろ?」
「俺は、お前が嫌いだ
だから、新選組には入らない
近藤さんの許可も貰ったから、出てく
退けよ」
「嫌だって言ったら?」
パチン
渉が右手を弾くと副長の後ろに現れた
茶色の忍装束
副長を薬で眠らせる
パタリと寝かされた
その横を通り、廊下に出る
「渉…行かないで」
沖田さんが、哀しそうな声で呼びとめた
「沖田、ちゃんと薬のめよ」
烝「七重!!」
「俺は、七重じゃない……
もう……渉でもない
これから、忍の名を貰いに行く」
どうしても、渉と離れたくない
そう想い、渉の前にずいっと出たのに
渉の顔を見たら、引き留める言葉が出なかった
渉も俺には、何も言わなかった
俺達は、目すら合わさすことはなかった
副長の意見は、最もで
俺も渉の様子が、おかしいことに気づいていて
そのままにしていた
明日、ゆっくり訊いてやらないとな
翌日、沖田さんの部屋に行くと
沖田さんが、俺より先に問いただしていた
一生懸命に渉の手に、心配している気持ちを書く沖田さん
その部屋の隅には、山崎さん…
山崎さんは、普段は雑だったり、ひょうひょうとしている割に、臆病だ
「沖田さん…渉が、どうして笑わないのか
聞かなくても俺にはわかります」
そう、幼なじみだから
ずっと一緒にいたから
「なんだ?揃ってんな?」
俺の後ろから、副長が……
俺は、沖田さんと反対側、渉の右に座った
弘「器用貧乏ってのは、お前のことだな…
もう、見えないふりも
聞こえないふりも、やめた方がいいぞ?」
渉は、表情を崩さない
沖田さんと山崎さんは、驚き狼狽える
土「なんだ……
おめぇも気づいていたのか……」
副長こそ、気づいていたのかよ
弘「渉… 「出てく」」
言いかけた、俺の言葉を遮って
冷たく言った
スッと立ち上がり、部屋の入り口に向かう
渉の前に、副長が立ちはだかる
「入隊しろ
ここにいたいから、治ってないふりしてたんだろ?」
「俺は、お前が嫌いだ
だから、新選組には入らない
近藤さんの許可も貰ったから、出てく
退けよ」
「嫌だって言ったら?」
パチン
渉が右手を弾くと副長の後ろに現れた
茶色の忍装束
副長を薬で眠らせる
パタリと寝かされた
その横を通り、廊下に出る
「渉…行かないで」
沖田さんが、哀しそうな声で呼びとめた
「沖田、ちゃんと薬のめよ」
烝「七重!!」
「俺は、七重じゃない……
もう……渉でもない
これから、忍の名を貰いに行く」
どうしても、渉と離れたくない
そう想い、渉の前にずいっと出たのに
渉の顔を見たら、引き留める言葉が出なかった
渉も俺には、何も言わなかった
俺達は、目すら合わさすことはなかった