*武士の花*~花は桜木、人は武士~
「渉未!!!」


振り返ることなく、雨に打たれずぶ濡れの

渉未の前に立ち傘をさす

すでにずぶ濡れで、意味を成さない


「何やってんだよ……」


「今日は、七夕だな」


「は?そうだけど、風邪引いたら
夜、星が出ても見せねぇーぞ?」


「たとえ、星が出ても見ない
ひとりで見たって……」


そう言い、渉未はびしゃっびしゃっ

水たまりを踏みつけるように

屋敷に入る





放っておけない





しばらく考えて、やっぱり渉未をひとりに
するのは、よくない!

という結論に至り



スパーンと渉未の部屋


襖を開けた



!!!!!!!


「△×※○~あわわわっ ごめん!!」



スパン



素っ裸で髪を拭いていた…





スーーー


襖が開く


着流し姿の渉未…着がえるの早っ


「お前、医者だろ?
てか、俺の体見たことあるだろ?」


俺は、今…季節がらの暑さと違う

猛烈な暑さを感じている



「いや!その!声も掛けず、ごめん!!」


「別に、見られて困るほど
綺麗な体じゃねぇし… 何のよう?」

「用という用は、無いんだが
少し、話さねぇか?」

「仕事以外で、深入りしないでくれ」


パン





閉じられた襖





渉未は、どうしたんだ……?





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