*武士の花*~花は桜木、人は武士~
*牛の舌草*
~渉未~



「桜、お主は面白いのぉ~」


相変わらず、天子様に看病されている


この人……苦手



月のものがきたことを話すと


なんと!
七夕の前夜、この人とちぎりを交わす前に、俺は……あまりにも嫌で、失神したらしい

つまり……

懐妊するはずもなかった…


朝、目覚めたら

裸だったし、てっきり……



クソッ



騙された……



本当…苦手




まだ、熱が下がらないが、三条の制札が
抜かれただので、新選組が札の警護なんぞ
させられているとのこと


真相解明するため、今夜


三条へ行く



迎えに来た辰巳と共に、御所を出る


俺の帰りを待つと天子様が言った


待つ必要がどこにあるんだよ!?


「大事にされてるんだな!!」


あぁ… 辰巳には、言っておこう



三条に到着して、土方さん達がまだ来ていないので、その間に懐妊してないことを告げた




土方さん達と合流してすぐ


土「すまねぇな…
身重の体に無理させちまって…」


俺の隣で辰巳は、肩を震わせる


バカにしやがって……


ギロッと辰巳を睨んでおく



弘「渉……」

「悪ぃ、渉未って呼んで…」


弘「あゆみ?」


「七重でも、渉でもないからさ」


土方さんと一緒に来たのは

烝さんと弘吉だった



「渉未!伝令!」



天子様の警護をしていた蓮実が来た



……ろくでもないことだろ

なんとなく予想しつつ、紙を広げる


月明かりに照らしつつ見る


ヒクヒクッ



顔が引き攣った


「どれどれ!」


俺から、天子様のことを聞いている辰巳も

手紙を覗き込む


辰「ぶはっ!!」

「笑うな!!クソッ燃やしてやる!!」

手紙を燃やした

蓮「わわわわわっ!いいのか?天子様からの手紙だぞ!!」

「で?その、天子様の警護は?」

蓮「智巳と也実がやってる」


「あっそ……
クソッ……俺の熱が下がらないのは、絶対
アイツのせいだからな!!」




〝桜へ
お腹の子に障りがないように頼む
其方の帰りを待っている〟





手紙にすることか?

伝令頼む内容か?

待たなくていいって言っただろ?



「蓮実!蹴ってこい!!」

蓮「無茶言うなよ!!」


「帰ったら、蹴ってやるぅ~」


辰「くくくくくっ 大事にされてんな!」


「うるさい!!」


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