*武士の花*~花は桜木、人は武士~
ぐっすり寝たからか?
すこぶる快適に動ける
今夜は、渉として寝ずの番をする日
仕事が終わり、置屋への帰り道
足を止めた
何やってんだろ…
元に戻った生活に、疑問を持った
もう… 渉は、帰って来ない
渉の居場所を残す必要は、ない
七重として
生きよう…
この夜を最後に、完璧に女に戻ろう
傷のある女は、売れないかも…
でも、渉仕込みの舞踊がある
もう一度、桜になろう
女将「体も売ることになるえ?」
七「かまいません
おかぁさん、よろしくお願いします!」
椿から、大反対をされたけど
今まで特別扱いされてきたから、今回は自分の力で頑張ろう
まずは、掃除やお姉さんの世話
支度の手伝い
私は、小菊天神に付いている
新しい名前は、小桜
「なんや…渉が女で…変な感じやなぁ」
「小菊ねぇはん、宜しゅう」
「桜太夫として戻ったらええのに」
「桜太夫は、亡くなりましたんえ?」
「それはそやけど…」
小菊は、椿みたいに私を心配する
元々、置屋で育ったから、作法は知ってる
踊りも覚えている
あっという間に客をとれるようになった
大丈夫……
仕事だ……
何度も心で唱えた
やっぱり恐怖心があって、お客様を困らせた
幸いに、優しい人で、傷のこととか
労ってくれて、怖さも落ち着くようにと
配慮してくれた
どうにか終わり、お客様が眠る
そっと布団から抜ける
体に残る感触……
怖い……
カタカタと自分の意思と関係なく
全身が震える
泣くもんか……
これから、こうして生きていくんだ
泣くもんか……
震える手で着物を整えた
髪が短いから、楽だ
「小桜…」
お客様がお目覚めだ
「おはようさんどす」
大丈夫…
仕事だ…
すこぶる快適に動ける
今夜は、渉として寝ずの番をする日
仕事が終わり、置屋への帰り道
足を止めた
何やってんだろ…
元に戻った生活に、疑問を持った
もう… 渉は、帰って来ない
渉の居場所を残す必要は、ない
七重として
生きよう…
この夜を最後に、完璧に女に戻ろう
傷のある女は、売れないかも…
でも、渉仕込みの舞踊がある
もう一度、桜になろう
女将「体も売ることになるえ?」
七「かまいません
おかぁさん、よろしくお願いします!」
椿から、大反対をされたけど
今まで特別扱いされてきたから、今回は自分の力で頑張ろう
まずは、掃除やお姉さんの世話
支度の手伝い
私は、小菊天神に付いている
新しい名前は、小桜
「なんや…渉が女で…変な感じやなぁ」
「小菊ねぇはん、宜しゅう」
「桜太夫として戻ったらええのに」
「桜太夫は、亡くなりましたんえ?」
「それはそやけど…」
小菊は、椿みたいに私を心配する
元々、置屋で育ったから、作法は知ってる
踊りも覚えている
あっという間に客をとれるようになった
大丈夫……
仕事だ……
何度も心で唱えた
やっぱり恐怖心があって、お客様を困らせた
幸いに、優しい人で、傷のこととか
労ってくれて、怖さも落ち着くようにと
配慮してくれた
どうにか終わり、お客様が眠る
そっと布団から抜ける
体に残る感触……
怖い……
カタカタと自分の意思と関係なく
全身が震える
泣くもんか……
これから、こうして生きていくんだ
泣くもんか……
震える手で着物を整えた
髪が短いから、楽だ
「小桜…」
お客様がお目覚めだ
「おはようさんどす」
大丈夫…
仕事だ…