*武士の花*~花は桜木、人は武士~
川原には、予想外の先客
滅多に人なんて来ないのに
???
見覚えのあるような後ろ姿
「渉!!」
七重が喜び、大声上げる
その声に少しこちらに向いた顔は、七重と同じ顔
弘「渉…」
弘吉と七重が渉に駆け寄る
俺達は、呆然と動けないでいる
高く結ばれた黒髪が、サラサラと風に揺れ
七重の方に向き、左手を出す
七重が、ピタリと立ち止まる
弘吉が七重の肩を持ち「どうした?」
声を掛けたが、返事もない
七重から光の玉が出てきて、それを渉が
左手で吸いとる
七重が気を失って、弘吉に支えられる
土「渉!!おめぇ、何しやがった!?」
こちらに向いた顔をよく見ると
無表情
視線は合うのに、合ってないような
感情を失ったような、その目は冷たく
そして、七重に視線を送り
ボソボソと口を動かした
烝「七重!!七重なんやろ!?」
そうだ… 中身は、七重
近「久しぶりだね?話をしよう?」
沖「渉!!会いたかったよ!!」
ふわりと後ろを向き、そのまま歩き出す
弘「まてよ!! 渉!! 渉!!」
弘吉が、必死に呼び止めても
どんどん歩いていく
総司が、後を追うが
途中で総司が、ガクッと崩れる
烝「沖田さん!!大丈夫か!?」
労咳の発作を起こし、激しく咳をする
あんなに、総司の病を心配していたはずの
渉は、振り返ることなく
去って行った
尾行しても無駄なことは、百も承知
土「山崎…総司は、俺が!!
渉を追え!!」
烝「はい!!!」
総司のそばに駆け寄ると
「ゴホッ 大丈夫です!!来ないで!!」
「馬鹿野郎!!!俺は丈夫なんだよ!!」
総司の背中を擦る
痩せた……
「弘吉!!七重は、どうだ!?」
「気を失っているだけです!!」
近藤さんが俺達のそばに来た
「総司を背中に乗せてくれ」
「ゴホッ ゴホッ 歩けます!」
「歩けても、いいじゃないか?
昔は、遠出すると帰りは、これだったろ」
どんだけ前の話を持ち出したんだよ
少し呆れたが、総司は、嬉しいようだ
「近藤さん大好きです!!ケホ」
変わらねぇなぁ
なんて、2人を見る
「ひとまず、屯所に戻ろう……」
屯所で七重と総司を横にして
山崎の帰りを待つ
「副長… やはり、まかれました
申し訳ありません
看病、代わります」
「ありがとうよ
……なぁ? 一体どおなってんだ?」
「まったくです……」
「渉が生きていたとは、聞いてなかったのか?」
「……はい」
弘「知らなかったかも……
だって… 渉は、橘先生が何処かに運んで… そうです… 橘先生は、渉に居場所がなくならないようにって
渉の居場所だったのか?
てっきり、女として生きることを…
え?まてよ……」
ずっと黙っていた弘吉が、ブツブツと言う
近「結局、謎だらけなんだな…
俺には、何でも話してくれていると思ったがなぁ」
重い空気になったところで
「伝令です」
監察方の浅野が、息を切らせて部屋へ入る
滅多に人なんて来ないのに
???
見覚えのあるような後ろ姿
「渉!!」
七重が喜び、大声上げる
その声に少しこちらに向いた顔は、七重と同じ顔
弘「渉…」
弘吉と七重が渉に駆け寄る
俺達は、呆然と動けないでいる
高く結ばれた黒髪が、サラサラと風に揺れ
七重の方に向き、左手を出す
七重が、ピタリと立ち止まる
弘吉が七重の肩を持ち「どうした?」
声を掛けたが、返事もない
七重から光の玉が出てきて、それを渉が
左手で吸いとる
七重が気を失って、弘吉に支えられる
土「渉!!おめぇ、何しやがった!?」
こちらに向いた顔をよく見ると
無表情
視線は合うのに、合ってないような
感情を失ったような、その目は冷たく
そして、七重に視線を送り
ボソボソと口を動かした
烝「七重!!七重なんやろ!?」
そうだ… 中身は、七重
近「久しぶりだね?話をしよう?」
沖「渉!!会いたかったよ!!」
ふわりと後ろを向き、そのまま歩き出す
弘「まてよ!! 渉!! 渉!!」
弘吉が、必死に呼び止めても
どんどん歩いていく
総司が、後を追うが
途中で総司が、ガクッと崩れる
烝「沖田さん!!大丈夫か!?」
労咳の発作を起こし、激しく咳をする
あんなに、総司の病を心配していたはずの
渉は、振り返ることなく
去って行った
尾行しても無駄なことは、百も承知
土「山崎…総司は、俺が!!
渉を追え!!」
烝「はい!!!」
総司のそばに駆け寄ると
「ゴホッ 大丈夫です!!来ないで!!」
「馬鹿野郎!!!俺は丈夫なんだよ!!」
総司の背中を擦る
痩せた……
「弘吉!!七重は、どうだ!?」
「気を失っているだけです!!」
近藤さんが俺達のそばに来た
「総司を背中に乗せてくれ」
「ゴホッ ゴホッ 歩けます!」
「歩けても、いいじゃないか?
昔は、遠出すると帰りは、これだったろ」
どんだけ前の話を持ち出したんだよ
少し呆れたが、総司は、嬉しいようだ
「近藤さん大好きです!!ケホ」
変わらねぇなぁ
なんて、2人を見る
「ひとまず、屯所に戻ろう……」
屯所で七重と総司を横にして
山崎の帰りを待つ
「副長… やはり、まかれました
申し訳ありません
看病、代わります」
「ありがとうよ
……なぁ? 一体どおなってんだ?」
「まったくです……」
「渉が生きていたとは、聞いてなかったのか?」
「……はい」
弘「知らなかったかも……
だって… 渉は、橘先生が何処かに運んで… そうです… 橘先生は、渉に居場所がなくならないようにって
渉の居場所だったのか?
てっきり、女として生きることを…
え?まてよ……」
ずっと黙っていた弘吉が、ブツブツと言う
近「結局、謎だらけなんだな…
俺には、何でも話してくれていると思ったがなぁ」
重い空気になったところで
「伝令です」
監察方の浅野が、息を切らせて部屋へ入る