*武士の花*~花は桜木、人は武士~
~永倉新八~



目の前にいる渉は、多分…

平助を守ってくれている


しかし、戦っている相手は、左之…



永「渉!!待て!!俺達は、平助を新選組に戻すように指示されてる!!
敵じゃねぇぞ!?」 


スッ



急に渉は、闘いをやめた

原「ひぇーー強えなぁ!!渉!!
手加減してくれてただろ?」


俺は、渉に土方さんの計画を話した


原「そういうことだから、平助と渉
2人とも、無事に新選組に連れて帰るからよ?」


渉は、首を横に振り
口をパクパク動かした


原「そうか…だけど、屯所に七重もいるし、1度顔出せよ!?」


パクパク


原「そんなこと気にすんなよ!!」


パクパク


原「総司もお前に会いたがってんだぞ?」


パクパク


原「わかった… 
  一緒に平助を守ってくれ!」

永「だぁーーーーーー!!!!
なんて?なんだって?左之!!普通に
ひとりで会話すすめんじゃねぇ!!」

原「あ? わからなかったのか?
バカだなぁ」



俺… 傷つくわ……





しかし……


目や耳の次は、口かよ……


それに… 不気味なくらいの無表情


左之ときたら、気にならないらしい


それどころか……


ガバッ


原「お?お前は、縦だなぁ!!
俺は、横だぞ!!」


渉の着物の前を勝手に開く

確かに、土方さんから、
男かどうか
傷があるかどうか

確かめるように指示されたが


パシン


体は、男でも中身は、男らしいはずの
女… 渉だ

殴られて、当然だな……



俺には、こんなまね出来ない

後で、左之に礼を言おう




御陵衛士の中に、斎藤も平助もいねぇ




俺は、少し焦り始めた




冷静に体術で、意識を奪っていく渉は
平助がここに来るから動かないのだろう


左之と俺は、自分たちの隊の者を下がらせた


元々、平助を連れ戻すことは、極秘


平隊士が平助に斬られ兼ねない

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