*武士の花*~花は桜木、人は武士~
 


 屯所



怪我で体調の悪い近藤さんが、無理をしてまで、僕らに話をしてくれた

子供の頃の渉と七重に会っていたこと


服だけかえっこした2人

双子だからと、虐められ七重は、人が嫌いだと泣いていた
渉は、必死に七重を守り、殴られ蹴られ

近藤さんが渉に武術を習うように進めた

渉が女の子で、七重が男の子だとは、知らずに


服を代えて入れ替わる事をどれだけ怒られても渉は、七重を守る為に男装した

ある日

七重がもののけの姿でいるところを
渉は、見てしまった

七重は、もののけの力で渉と中身を入れ替えた

すぐに父親から、怒られて元に戻る


それからは、服も代えることをしなかった

次に入れ替わる事を持ち出したのは

江戸から京へ来るとき





京へ行く切っ掛けは
もののけの力を封じる人を探す為だった


そこで、出会ったのが神社の息子、弘吉

弘吉が谷口先生にお守りを渡そうとしたが

谷口先生は、もののけの血を引いていたから、お守りに触れなかった

だから弘吉に一緒にいて欲しいと頼んだ

でも、渉と七重を間違えた


次に七重がもののけの力を使ったのは、自分の父親を殺すとき

橘先生を操り、斬らせた

そして、次は渉…

ずっと機会を伺っていた

殿内暗殺時、慶太郎と出掛け、少し先を見て中身を入れ替えた

渉なら、助けに行く

そう思い、結果その通り

予想外だったのは、七重の意思に反し
入れ替わってしまった

渉は、自分が斬られた記憶がなくて

土方さんの七夕飾りだけ、覚えていた


渉は、七重が死んだことを受け入れなかった

帰ってくる

だから、居場所を残さなければ

男として、女として、どちらでも生きれるように

斬られた七重のほうは、意識不明のまま

二条城に引き取られていた


街を賑わす、桜太夫と瓜二つな男


しかし、関係を確かめることなく見守っていた

男が目覚めたのは、川から七重を引き取ってすぐ

中身が渉になり、渉は混乱して暴れた、1度顔を合わせた

徳川慶喜様が現れて、助けられた

慶喜様の使いが、新選組に瓜二つな女がいたと言った

渉は、新選組に忍び込み、近藤さんに会いに来た

そこで、自分を振った山崎くんが七重と
恋仲で仲むつまじい姿を見た

平助のことや今後のことを話した


川でばったり会った時、七重の中身が持ってる力を奪った

新選組を守る為

力を奪ったら、七重の思想も奪っていた

その思想は、渉を殺したいというもの




烝「七重が目を覚ましました」


別室で七重とおソノを看ていた山崎くん

皆で部屋に行くと、にっこりと笑い

七「どうされたんですか?」

なんと……

七重は、新選組以外の記憶が無くなっていた

おソノも

ソ「渉…?さぁ?」








不思議です



七「烝さん!!」


あれから、山崎さんから烝さん

渉が呼んでいたいたように

そして、苦手だった料理は、渉並み

ぜんざいだけは、ちょっと違うけど


よく働くようになった



よく笑う、まるで渉みたい

仕草とか、雰囲気は違うけどね





そんな七重を見てたら、渉が心配になる


もちろん、土方さんも


七重がいるところを土方さんは、避ける

七重も土方さんを怖いから、避ける


たぶん…… 

土方さんは、渉をもののけにしてしまったと、自分を責めている





年末で、忙しい時期

僕は、ひたすら天井と睨めっこ



渉…



会いたいです







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