*武士の花*~花は桜木、人は武士~
~七重~


慶喜様と辰巳に新選組の隊士になることを告げた

渉未として、もう一度機会を貰っていたけど


土方さんのそばにいたい


沖田が言ってくれたように、素直に
生きているうちは、笑ってたい


年の差なのか、経験の差なのか

私だけ、大変な思いをしている

いくら想い合っているとわかっても

触られたりするのは、慣れない

この数日で、寿命が相当減った




良ちゃんの療養所についた

診察中だね

そっと、近くに座る


患者さんが帰ってから

松「七重、おかえり」

七「ただいま」


いっぱい心配かけたから、謝りたかったのに

涙が溢れてどうしようもないよ

松「変わらないね… 泣き虫
渉の事は、近藤君に聞いたよ
悪しき心に勝てなかったんだね…
恨みさえ捨てれば、普通に生きていけたかもしれないが…
人の体を乗っ取って、得る幸せでは
虚しさが残るだけさ」

七「良ちゃん、私ね!土方さんについて行こうと思ってる
新選組に入隊する」

松「七重……そうか、そうしなさい」


反対せず、認めてくれるあたり
やっぱり良ちゃんだなぁ


大好き







土方さんは

迎えにきてくれる



誰も迎えにこなかった私の元に

土方さんは、きてくれる


〝本当に来てくれる?〟って聞こうとしたけど


土方さんなら、来る


不安より、信頼の方が勝っちゃった


だから、待つのもなんだか楽しい


土方さん… 

私は、貴方の為に生きようと決めました








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