*武士の花*~花は桜木、人は武士~
~土方歳三~




不安だった……



やっぱり、新選組に入らないとか

俺といるのは、嫌だとか

戦なんて、したくないって


遠くに行っちまうかと思った

だけど…渉として、新選組へ入隊した

弘吉ら、平隊士に体術を教えたり


炊事をしてくれる


洗濯は、当番制になったが、食事は
無駄を出したくないと

きっちり材料と人と日数を計算している


俺も、渉も、忙しくてなかなか話すら
出来ていない


そんな時、永倉と渉がコソコソ話をしているのを目撃してしまった


ケラケラと永倉が笑う

少し赤くなりながら、渉も笑う


嫉妬


俺の今の気持ち


ムッとしながら、2人に近づいた

永「げっ!!ご立腹!?ちょっと渉と話してただけだぞ!?」

さすが、永倉

俺の立腹の理由が分かるようだ

渉「そうだよ!別に土方さんの悪口言ってないよ!?」

コイツには、分からないようだ

目を細め、渉を睨む

渉「なに?なに?なんで怒ってんの?」

永「あっ!!用事を思い出した!!
じゃあなぁ~」

永倉が逃げた

土「ずいぶんと仲良く話してたなぁ!?
俺とは、あんまり話してねぇのに……」

渉「ん?話?しよう?」

わからないけど、隣にどうぞと招く

渉の横に座る

渉「なぁ?何怒ってんの?」

土「怒ってるわけじゃねぇ」

渉「え~そうか?」

すっかり口調が男になってきたな

渉「まさか?ヤキモチ?
そんなことないか!土方さんだもんね!」

土「土方ですけど、ヤキモチくらい焼きますけど?」

渉「///////えぇ///////」

耳まで赤くして、驚く

土「何話してたんだ?」

渉「……それはぁ……ちょっと…」

土「やましいことは、ねぇんだろ!?」

渉「ひっ……土方さんとの事」

土「俺?」

渉「永倉さんが、良かったかって……」


あの野郎……


渉「だから、ちゃんと答えたよ!
新選組に入って良かったって!!」


なんのこっちや!!

ちょっと…変な勘違いしたじゃねぇか!!


土「なんで、そんなに赤くなるんだよ」

渉「だってぇ… 恥ずかしい……」


見た目男になっても、中身は女

俺のこと話すだけで、照れんのかよ


土「そういう可愛いとこは、俺の前だけにしろ!! いいな?」


コテンと首を傾け、「うん」


やっぱり、わかってねぇのか???




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