*武士の花*~花は桜木、人は武士~
しかし
俺は、総司の部屋につく前に、歩みを止めることになる
なぜなら
総司と渉が争う声に、身を潜めたからだ
沖「どうして?僕は、刀を渉に貰って欲しい!!なんで、嫌なの!?」
渉「沖田、どこかに行ったりしないで!
一緒に戦おうって、この前話したばかりなのに!!」
沖「それは、理想だけど、僕は……
労咳なんだ!!
渉だって、知ってるでしょ?」
渉「労咳だから?病さえなければ……
一緒にいてくれるの?」
沖「そうだね、こんな病にならなければ
ずっと一緒に戦えたのにね……」
渉「労咳さえ、無くなれば……いいのね」
沖「渉?」
不安でいっぱいの総司の声に、少し様子を見ようと身を乗り出す
!!!!!!
なんで……!!!
渉は、白髪に赤い目、長く鋭い爪、牙
もののけ姿になっていた
そして、総司に両方の手のひらを向けた
総司からは、青色の光がどんどん出て
手に吸い込まれる
総司は、抵抗出来ないようだ
渉は、総司の病を吸いとってる?
吸いとったら、渉はどうなる?
総司と渉
どちらを守ればいいのか
わかんねぇ
でも、止めなければ
そう思い、飛び出した
土「やめろ!!」
それだけ叫んでから、俺の動きと声は
封じられた
やめろ!!やめろ!!やめろ!!
心の中で、どれだけ叫んでも
渉は、やめようとしなかった
ゴホツ
渉の口から、血が流れ出る
それでも続けようとする
止めなければ!!
俺は、渾身の力で封じられた体を動かした
「やめろ!!お前が倒れて、総司が治ったって、総司が傷つくだけだ!!」
バタン
総司が倒れる
渉「あと… 少しだったのに……」
黒髪、黒目、人間の姿に戻った
渉「邪魔……するなよ……」
土「渉、その力……」
渉「ふふふっ 私たちやっとひとつになったの!力を持ってるのは、私!
でも、使えるのは、七重!!
だから、私たちひとりになったの!!
土方歳三……あなたに七重は、あげない
私は、烝さんを失った……
七重にも、あなたを失って欲しい……
ひとりだけ、幸せになるなんて……
そんなの、許せない……」
土「その体の中で、生きていたのか?」
渉「そうよ?七重ったら、私を外に出さないの!沖田さんを助けるのに力を貸すって言ったら、素直に外に出してくれたけど?
七重は、どうして食事を食べないか
わかる?
ふふふっ あははっ 土方歳三……
私が憎い!? 私だって、七重!!
新選組で男として生きるなんて嫌!!
良ちゃんの所へ移して!!
そうしないと、私……何するか……」
土「おい!!」
グラリと揺れ、渉が意識を失った
渉を抱きとめた手が、ガクガクと震え
どうしていいのかわからなかった
とにかく、渉の口から、流れ出る血を
手ぬぐいで拭いてやる
土「渉……」
俺の口から出たのは、情けないくらい
小さな声だった
俺は、総司の部屋につく前に、歩みを止めることになる
なぜなら
総司と渉が争う声に、身を潜めたからだ
沖「どうして?僕は、刀を渉に貰って欲しい!!なんで、嫌なの!?」
渉「沖田、どこかに行ったりしないで!
一緒に戦おうって、この前話したばかりなのに!!」
沖「それは、理想だけど、僕は……
労咳なんだ!!
渉だって、知ってるでしょ?」
渉「労咳だから?病さえなければ……
一緒にいてくれるの?」
沖「そうだね、こんな病にならなければ
ずっと一緒に戦えたのにね……」
渉「労咳さえ、無くなれば……いいのね」
沖「渉?」
不安でいっぱいの総司の声に、少し様子を見ようと身を乗り出す
!!!!!!
なんで……!!!
渉は、白髪に赤い目、長く鋭い爪、牙
もののけ姿になっていた
そして、総司に両方の手のひらを向けた
総司からは、青色の光がどんどん出て
手に吸い込まれる
総司は、抵抗出来ないようだ
渉は、総司の病を吸いとってる?
吸いとったら、渉はどうなる?
総司と渉
どちらを守ればいいのか
わかんねぇ
でも、止めなければ
そう思い、飛び出した
土「やめろ!!」
それだけ叫んでから、俺の動きと声は
封じられた
やめろ!!やめろ!!やめろ!!
心の中で、どれだけ叫んでも
渉は、やめようとしなかった
ゴホツ
渉の口から、血が流れ出る
それでも続けようとする
止めなければ!!
俺は、渾身の力で封じられた体を動かした
「やめろ!!お前が倒れて、総司が治ったって、総司が傷つくだけだ!!」
バタン
総司が倒れる
渉「あと… 少しだったのに……」
黒髪、黒目、人間の姿に戻った
渉「邪魔……するなよ……」
土「渉、その力……」
渉「ふふふっ 私たちやっとひとつになったの!力を持ってるのは、私!
でも、使えるのは、七重!!
だから、私たちひとりになったの!!
土方歳三……あなたに七重は、あげない
私は、烝さんを失った……
七重にも、あなたを失って欲しい……
ひとりだけ、幸せになるなんて……
そんなの、許せない……」
土「その体の中で、生きていたのか?」
渉「そうよ?七重ったら、私を外に出さないの!沖田さんを助けるのに力を貸すって言ったら、素直に外に出してくれたけど?
七重は、どうして食事を食べないか
わかる?
ふふふっ あははっ 土方歳三……
私が憎い!? 私だって、七重!!
新選組で男として生きるなんて嫌!!
良ちゃんの所へ移して!!
そうしないと、私……何するか……」
土「おい!!」
グラリと揺れ、渉が意識を失った
渉を抱きとめた手が、ガクガクと震え
どうしていいのかわからなかった
とにかく、渉の口から、流れ出る血を
手ぬぐいで拭いてやる
土「渉……」
俺の口から出たのは、情けないくらい
小さな声だった