*武士の花*~花は桜木、人は武士~
*都草*
~弘吉~



幹部会議の日、渉は俺に頼みがある

なんて、真剣に言うもんだから

内容を聞く前に、何でも言えって

承諾した


渉「実は、俺の中に七重がいるんだ!
あっ!七重って、俺じゃなくて、渉の方」

回りくどい……

弘「つまり、片割れね?」

渉「そうそう」

弘「……あぁ???」


何すんなり聞いてんの?俺……


渉「それでだ、もうすぐ烝さんが迎えに来るはずなんだよな!
ほら、恋仲だから!
七重は、烝さんと一緒にいたいけど
この体にも未練があるみたいで、その…
できれば、俺を巻き添えにするか
生き残る俺が、これ以上幸せにならないように土方さんに何かするような…
だから!!
弘吉には、土方さんを守って貰おうと!」

弘「渉… お前… 」


言いかけたけど、やめた

だって、渉にとって、土方さんが何より大事!自分より、大事!

七重は、暴力嫌いで、踊りが好きだった

なのに… 


土方さんや渉に危害加えるなんて


昔を知ってる俺には、信じられない内容


でも、渉は俺を頼るのは、よほどの事


信じられないことばかりだよな…


弘「なぁ、桜の時さ化粧させてくれなかったのなんで?」


渉「そりゃあ、男の人と向き合って///
/////恥ずかしいだろ!!!」


目の前にいる渉は、女だし……


弘「俺… 男だと思ってたし…」


渉「そりゃあ良かった!!」


にかっと笑う渉が、女らしくなくても

男じゃなくても


弘「俺達ずっと、親友だからな!!」

渉「おぅ!!親友だ!!
弘吉……いいこと教えてやる!!
牡丹……」

弘「なんだよ!!」

渉「無事に出産したようだぞ!」

弘「んな適当なこと言うな!!」

渉「少し早くに生まれたみたいだけど
元気な男の子だよ」



ここは、江戸

牡丹は、京


渉「わかるんだ……なんでかな?」

まるで、自分は人じゃないと言うように
俯いた




弘「渉!!頼みがある!!」


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