*武士の花*~花は桜木、人は武士~
~土方歳三~




目が覚めると、心配そうに覗き込む総司


沖「良かったぁ~ 起きましたよ!!」

弘「え! 土方さん!!具合どうです?」


土「ふっ 足が痛ぇな」


苦笑いで答えると

弘「指揮官は、ノコノコ前線に出てはいけないんですよ!!今後は、控えて下さい」

沖「2、3月は、療養生活ですって」

土「すまん」

弘「謝るのは俺の方です!
土方さんに怪我をさせてしまい……」 

土「いやいや、俺がノコノコな!?」

沖「土方さん
僕は、会津へ行けません
この体力では、ご迷惑になります
隊を離れることを許して下さい」


土「さみしくなるな…
新選組の古株が、バラバラだ…」

沖「もともと、バラバラだったでしょ!?
土方さんなんて、ふらっと薬売り歩いて
帰って来なかったじゃないですか!?」

土「そう言われりゃ、そうだな
総司、病に負けるな!!
ちゃんと治してから、合流しような!!」

沖「……はい!!」


無理です、みたいな顔すんなよ!!バカ!


土「餞別だ」


ゴン


沖「いったぁ~ なんでぇ!?」

土「情けねぇ顔してっからだ!!」

沖「もう……土方さん、加減を知らないんだから!!」


ぷんぷん怒る


総司、俺…末っ子だったから

弟欲しくて

勝手に、総司は俺の弟だって決めてた

言うと嫌がるだろうから



近藤さんの方がいいって、言うだろ!?



土「死ぬなよ」


沖「死にませんよ!!」



負けず嫌いな総司なら、そう言ってくれると思ったよ


沖「あの…土方さん?」


機嫌を少し治して、総司が遠慮がちに俺を見る


沖「……なんでもないです」


なんだ?この感じ……前にも


沖「じゃあ、行きますね!!」

土「今からかよ!!」

沖「そうですよ?松本先生の所へ行って
療養出来る所を借りるので!
土方さん、お大事に!!」


あっかんべぇをして、総司が出て行った

いい年して、ガキだな


でも



かわいい弟だ








< 277 / 291 >

この作品をシェア

pagetop